世界への扉|国際協力ブログ

国際協力の仕事をしています。アフリカや南米など、世界を好きになる情報を発信していきます。

国際協力・開発を仕事にしたい人におすすめの本【73選】後編

こんにちは!田才諒哉(@ryoryoryoooooya)です。

中南米を縦断している間に、すっかり前回の紹介ブログから間が空いてしまいました・・・(ちなみに今はパラグアイにいます)

 

前回のブログ、かなり好評をいただきまして、後編の今回も気合いを入れて書かせていただきました!

前編をまだ読んでいない方は、あわせて読んでいただけたら嬉しいです。 

www.ryoyatasai.com

 

それでは、いってみましょう!

 

アフリカについて知る本 

ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄

アフリカに興味がある人がまず読んでほしいのは白戸圭一さんの本です。

元現地特派員だからこそ伝えられるアフリカのリアルが語られており、本を読んでいるのですが、現地に降り立っているような気分になる一冊です。

ぼくらのアフリカに戦争がなくならないのはなぜ?

認定NPO法人テラ・ルネッサンス理事長・小川真吾さんの著作。

スーダンコンゴ民主共和国などで起きた戦争がなぜ起こったのか?その複雑な背景をとてもわかりやすく説明してくださっています。

個人的にはこの本以上にわかりやすい解説はないんじゃないかってくらい。アフリカの戦争や紛争について学びたい人がまず最初に読むべき本だと思います!

アフリカ「貧困と飢餓」克服のシナリオ

青年海外協力隊としてザンビアに赴任していたときに読んだ一冊。あまり知られていないのですが、かなりの名作だと思います。

著者がJICAの国際協力専門員として活動されてきた方なので、JICA事業に関わる人が読むと細かいところまでわかって面白いかもしれません。

アフリカ料理の本

いきなりここで料理本!笑

でもアフリカについて学ぶには、人々の生活や文化を学ぶこともとても大切で、その一つとして「料理」というのは非常に良い手段だと思います。

もちろん作ってみるのが一番ですが、ながめてるだけでも面白いです!

ちなみに国際協力カフェを営業するときは、こういう本の中から提供する料理をセレクトしています。

紛争・難民支援について知る本

緒方貞子―難民支援の現場から

国際協力を仕事にしたい人なら絶対に知らなければいけない緒方貞子さん。緒方さんが日本の国際協力に与えた影響はとても大きいと思います。

余談ですが、地元新潟の本屋に行ったら、「難民」「環境問題」などとジャンル分けされている中に「緒方貞子」というジャンルがありました。もはや一つのジェンルを確立しているとかすごすぎる・・・

この本でなくてもいいですが、緒方貞子さんの本は一冊は読んでおくべきかと思います。

武装解除-紛争屋が見た世界

伊勢崎さんの本はどの本も現場のリアルが描かれていてとても面白いのですが、個人的にはこの本が好きです。

新書なので、がんばれば一日で読めちゃうのもGOOD。

ガルトゥング紛争解決学入門 コンフリクト・ワークへの招待

平和学に関心のある人なら必ず読んでおきたいヨハン・ガルトゥングさんの本です。

日本語訳がかなり読みにくかったりするところも多々あるのですが、コンフリクトについて戦争や紛争だけでなく、日常生活で起こるようなコンフリクト(恋愛とか)を例に紛争解決学が語られていて、おもしろいです。

クライシス・キャラバン―紛争地における人道援助の真実

オランダ人ジャーナリストのポルマン・リンダさんのルポ。「援助は正しいのか?」という命題を改めて開発ワーカーに考えさせてくれる本です。

リンダさんは、援助物資によって殺人者たちがより力を増している事実や、苦しんでいる人々に少しでもはやく水や食料を届けるためには、ジェノサイド実行犯グループと手を結ばなければならないシチェエーションもあるという、この業界では表に出てこないことを書き綴っています。

僕も汚職大国のパラグアイスーダンで仕事をしていたので、ジブンゴトとして考えさせられるシーンがたくさんありました。

この本は国際協力の仕事をしている人にぜひ読んでもらいたいです。

ダルフールの通訳 ジェノサイドの目撃者

もともとは赴任前にスーダンを知るために読んだのですが、とても心を打たれた一冊です。

ダルフール紛争の中で生きた人の本当のお話。

国際協力と世界の"裏側"について考える本 

世界は貧困を食いものにしている

 「マイクロファイナンス」と聞くと、ノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行の創設者モハメド・ユヌス氏が想起されるとともに、成功しているプロジェクトのようなイメージがありますが、この本では、マイクロファイナンスが貧困や依存を助長している可能性があると批判します。

国際協力のプロジェクトを進める上では、どんなときも批判的・客観的な視点をどこかにもっておくことも重要なので、ぜひ読んでほしい本です。

国際貢献のウソ

武装解除』でも紹介した伊勢崎さんの本です。

国際協力が正しいもの、正義だと思っている人には衝撃の一冊だと思います。でも、ぜひ読んでほしい。国際協力の裏側も知った上で、「我々が国際協力に取り組む意味」をみんなで考えていきたいものです。

新書かつわかりやすい文章で書かれているので、一日で読めます。

フェアトレードのおかしな真実―僕は本当に良いビジネスを探す旅に出た

フェアトレードについては僕もかなり懐疑的な立場なのですが、先進国など消費者側では「人と地球にやさしい」と表現される一方で、途上国など生産者側では実はそうではない現状があることをルポ形式で語っています。

ブロックチェーン技術が発達したら、フェアトレードについてはもっと信憑性が高まっていくのかなーとひそかに期待。

チョコレートの真実

前述のフェアトレードの本と内容的には近いですが、チョコレートに特化した一冊になります。

「"甘い"チョコレートの裏にひそむ"苦い"真実」をぜひ知ってください。

ルポ 餓死現場で生きる

石井光太さんの本はどの本も衝撃的なので、ぜひすべて読んでいただきたいのですが、個人的に一冊をおすすめするならこの本です。

現場の様子がひしひしと伝わってくる石井さんの文章は、ときに目を背けたくなるくらいのシーンがありますが、まずは「知ること」からはじめたいです。

マラス 暴力に支配される少年たち

中米、特にホンジュラスエルサルバドルグアテマラにいると耳にする「マラス」。その実態をはじめて知ったときは背筋が凍りました。

ソマリアギャングの社会復帰支援に取り組む、NPO法人アクセプト・インターナショナル代表理事の永井陽右さんでさえも、「マラスはやばい」との一言。

工藤律子さんは他に『マフィア国家』など、中南米の闇にせまる本を書かれているのですが、どれもぜひ読んでほしいです。僕自身もしばらく中南米にいて、麻薬などが日常に根付いている光景はよく目にしているので、この闇をどう根絶するかは非常に根深い問題だと思います。

国際協力のキャリアについて知る本

国際協力キャリアガイド(2017‐18)

国際協力のキャリアについて知りたい人は、まずはこの本を!毎年発売されていて、国際協力の世界で活躍するいろんなロールモデルの方々のこれまでの経歴などを知ることができます。

ちなみに下の最新号には僕のキャリアについても紹介していただきました。ぜひ読んでみてください〜!

国際保健医療のキャリアナビ

国際協力のキャリアの中でも「国際保健」に関わりたい人は、上記とあわせてこちらもおすすめです。

ちなみに医療支援というと理系のイメージがありますが、文系でも公衆衛生の修士号などをとって活躍されている方もいっぱいいて、そうしたキャリアを知ることもできます。

国際協力の仕事をしたい人・している人は、常に自分の目指したいロールモデルを見つけておくと良いかと思います。

その他どうしてもオススメしたい本 

国際保健医療学

この本は、NGO職員としてスーダンに駐在しているときに一番タメになった本!

医療支援を行う団体に所属していたのですが、僕以外は医者や看護師などの資格をもった方々で、僕だけ圧倒的に医療の知識がなく、最初の頃は専門的な部分がさっぱりわかりませんでした。

この本は、国際保健について、基礎から応用まで学ぶことのできる教科書のようになっていて、この本を読んだことで医療関係の資格がない僕でも、ある程度の知識をもって仕事に携わることができるようになりました。

まだ国際保健について勉強したことがないけど、これから勉強してみたい!という方には、すごくおすすめします!

コトラー ソーシャル・マーケティング 貧困に克つ7つの視点と10の戦略的取組み

この本は、どちらかというと国際協力の仕事の中でも「広報」「ファンドレイジング」に関わる人に読んでほしい一冊です。

コトラー氏といえば、マーケティングの第一人者として超有名ですが、その中でもソーシャルに特化したマーケティング論について書かれています。

パリの国連で夢を食う。

元国連職員の川内有緒さんの著書。この本は、国際協力とか関係なく、純粋に僕の中の大好きな本のひとつです。

パリで過ごした国連での日々について、あたたかみと、ときにユーモアのある文章で、川内さんが過ごしたパリでの生活にどんどん引き込まれていきます。

国連での仕事の話というよりは、国連という組織で働く人たちがどんな人たちなのか?異文化の中で仕事をするということの大変さと楽しさを教えてくれる一冊です。

国連に興味のある人はもちろん、川内さんの文章が本当に素敵なので、すべての人に読んでほしいです!

バウルの歌を探しに バングラデシュの喧騒に紛れ込んだ彷徨の記録

こちらも川内有緒さんの著書。「バウルの歌」という何百年もの間、ベンガル地方で歌い継がれる伝説の歌を探しに旅にでる物語です。

こちらも国際協力とはちょっと離れてしまいますが、純粋に大好きな本で、ただなぜここで紹介したかというと、物語はバングラデシュを舞台に進んでいくので、バングラデシュに行ったことのある方や、アジアの雑多な感じを読書の世界から感じたい!という人におすすめです。

小難しい国際協力や開発の本を読むのに疲れたときの、息抜きの一冊にぜひどうぞ!

続・入門社会開発―PLA:住民主体の学習と行動による開発

この本は、NGO職員や青年海外協力隊の方など、より現場に近い立場で国際協力に関わる人たちにぜひとも読んでもらいたいです。

以前、この本の感想をブログにまとめているので、詳しくはぜひブログを読んでみてください!

www.ryoyatasai.com

Kindle版があるのもGOOD!

新渡戸稲造 日本初の国際連盟職員

日本人初の国連職員が新渡戸稲造さんだったって知ってましたか?

内容は歴史的な話も多いのですが、国連に興味がある人なんかは、国連ができた当時の様子を知れるので読んでみるといいのではないかと思います。

恋する文化人類学

この本、スーパー大好きなのですが、文化人類学とかに興味がある人はぜひ読んでほしいです!

アフリカで女性アイドル歌手と恋に落ちた著者が、現地での結婚式などの体験を語ります。

まずストーリーが小説のように面白く、それでいて異文化交流の中で文化人類学の基礎が複数紹介されていくという、面白くて勉強にもなる一石二鳥な本。

世の中の文化人類学の授業の教科書はこの本を使ったらいいと思う。恋愛から学ぶことっていっぱいあるよね(意味深)。

いかがでしたか?
この中から、お気に入りの一冊が見つかることを願っています。
 
それでは!チャオ!