こんにちは!田才諒哉(@ryoryoryoooooya)です。
北アフリカに位置するスーダン共和国にて、NGO職員として活動しています。
途上国の農村でフィールドワークを行っていると、住民の方々がご厚意で食べ物や飲み物を出してくださることがよくあります。
住民の方の負担になるので、極力用意していただくことのないように気をつける一方、個人的には相手のご厚意は「しっかり受ける」ことをマイルールにしております。
そんな中で、こんなシチェエーションがあります。
途上国の農村で住民から出された「濁った水」、あなたは飲みますか?
先ほどマイルールと書いたように、基本的に濁った水であってもこれまでは飲んできていました。
そしてそれが原因でお腹を壊すこともよくありましたが、以前ある住民が「お腹を壊したってトイレに行く回数が増えるだけさ!」と言っていて、「なるほど、それだけのことか!」と思った自分もいたりして…笑
相手のご厚意に応えることは、開発の現場で活動する上でなによりも重要な信頼関係の構築につながると考えています。
だから、トイレの回数が増えるくらいで住民の方に喜んでもらえるなら・・・と思ったりするわけです。
前の自分はそうだったのですが、あるときから考えが変わりました。
以前書いた記事ともリンクするのですが、毎回毎回フィールドに行く度にお腹を壊して、翌日の仕事を無駄にしていては、プロとして失格だと思うようになったからです。
途上国で仕事をする上では、自分の体調を万全に保つことはかなり優先順位が高いと考えるようになりました。
ここで最初の質問に戻ると、では、途上国の農村で住民から出された「濁った水」、どうしたらいいでしょうか?
「断る」ということは簡単かもしれませんが、住民の方のご厚意に対して失礼にあたるのではないかとも思ってしまいます。
どうするのが良いんだろう、と思っていたとき、ちょうど国連WFP(世界食糧計画)のベテランのフィールドオフィサーの方と現場に行く機会があったのですが、そこで彼女がとても素晴らしい行動をされていたので、ご紹介させてください。
ある村で「濁った水」が出されました。
しばらく飲まずにいると、住民の方は「飲みな、飲みな」と勧めてきます。
しかし目の前にあるのは明らかに「濁っている水」。
ちょうど今しているインタビューの中でも、この村ではコレラが発生しているという情報を得たばかりです。
ここでWFPの方がとった行動は、「帰りにいっぱい飲みたいから、ペットボトルの中に注いでもらえる?」という一言でした。
村人は「オーケー、オーケー」と笑顔でペットボトルに水をついでいて、そしてWFPの方は「彼(田才)もとても喉が乾いているだろうから、ペットボトルに注いだ方が喜ぶと思う」と言ってくださりました。
そしてインタビューが終わり、車に乗り込むと、彼女は言いました。
「コレラが発生していると聞きながら濁った水を飲むなんて絶対ダメ。ただ、住民の方が親切にしてくださっているのを断るのもダメ。そういうときはこうして持ち帰ればいいのよ」と。
さすがフィールド経験が豊富な方は違うなあ、ととても勉強になりました。
このエピソードは一つの例でしかないかもしれません。
それ以降、僕はこの方法を使うようにしています。
途上国の農村で住民から出された「濁った水」、あなたならどうしますか?