こんにちは!田才諒哉(@ryoryoryoooooya)です。
北アフリカに位置するスーダン共和国にて、NGO職員として活動しています。
先日「NGO組織強化大賞2017」というイベントが行われ、その審査員として参加させていただきました。イベントの目的は以下です。
組織の基盤強化は重要ですが、NGOは非営利組織という特性から、資金や取り組みは活動に重視されがちです。しかしながら、NGOのミッション・ビジョンを達成するためには、組織の地盤がしっかりとしていなければ達成できない現状もあります。そういった資金難や人員難などを乗り越え、団体の組織強化を図った団体を各部門にて表彰し、その中から大賞を選出し表彰します。(本イベントページより抜粋)
今日は、NGO組織強化大賞2017で大賞を受賞した「一般社団法人アース・カンパニー」さんの活動を紹介させていただきます。
働く「時間」と「場所」は自分で選ぶ
アジア・太平洋の途上国の社会起業家の支援を行うアース・カンパニーは、設立まだ4年目ながら、約3,000万円ほどの事業規模をもった急成長中のNGOです。
その最大の理由は、アース・カンパニーで働く「人」にあります。
アース・カンパニーでは、全スタッフがオフィスをもたないリモートワーカーとして働いており、バリ島・東京・長野にスタッフが散らばっています。
そして全スタッフ12人のうち10人がパートタイマーとして活動に参画しており、それぞれ他の仕事や育児、主婦業とを兼業する形で携わっています。
こうした「時間」と「場所」を選ばない働き方を推進することで、フルタイムでは難しいけども社会貢献事業に関わりたいという人をNGOに巻き込むことに成功しています。
またオフィスをもたないことにより、通勤時間や通勤ストレスの削減、そして環境負荷も減らすことに貢献しています。
この働き方のメリット・デメリット
とはいうものの、日々のコミュニケーションや管理体制を敷くことが難しいことも事実です。
こうしたデメリットに対応するため、アース・カンパニーは以下のような取り組みを行なっています。
こうした取り組みを導入することで極力デメリットをなくし、全スタッフが気持ちよく生産性の高い仕事ができる環境を整えることで、とにかく仕事に対するハイパフォーマンスを実現しています。
この働き方がしっかり軌道に乗れば、フルタイムの職員を何人も採用するよりも少ない人件費で、より多様な専門性をもった人材を適材適所で雇うことも可能になります。
こうした「NGOらしくない」働き方改革の推進が成功していることは、アース・カンパニーの事業規模や実績からも明らかです。
これからのNGOの働き方
最近、働き方改革が声高に叫ばれていますが、NGOほど働き方改革を積極的に進めていくべきだと思います。
少ないリソースで最大のインパクトを発揮することが求められるNGOにとって、それを実現するハイパフォーマンスな人材を獲得することは必須です。
そして、そうした人材がなかなか見つからないという嘆きがNGO業界ではよく聞こえてきますが、どちらかというと見つからないのではなく、「受け入れる体制がない」ことが原因のような気がします。
育児や主婦をしながらも、それまで培ってきた業界の経験を活かしてNGO活動に数時間なら協力したい方は、きっといます。
アース・カンパニーが一つの成功事例ですが、こうした働き方が当たり前になり、多様な人材が国際協力NGO業界により集まってくることで業界が活性化し、盛り上がっていったらいいなと思い、このブログを書かせていただきました。
最後に、「でも、やっぱり遠隔での管理って難しくないですか?」という質問に対してアース・カンパニーの方が答えていた内容が素晴らしかったので掲載します。
とにかく信じきること。
人はみんなから信じきられたら、見ていなくたって頑張りきると思います。
これって国際協力の現場で「途上国の人たちのことを信じきる」ことにも通ずるなあ、と個人的に思いました。
それでは!チャオ!