マラウイに来てもうすぐ2ヶ月になります。
ようやくWFPでの仕事も本格的にはじまり、レジリエンス部で多岐にわたるプログラムを担当しています。
レジリエンス部では、気候変動の影響による自然災害で被害を受けた方々への緊急支援および復興支援を主に行っています。
まさにWFPのスローガンである「SAVING LIVES, CHANGING LIVES」を体現し、緊急援助と開発支援のNEXUSになる部分です。
Food Assistance for Assets (FFA)で食糧支援だけでなく、現金やバウチャーの給付を行ったり、
Smallholder Agricultural Market Support (SAMS)で小農の人が市場で現金収入を得れるサポートをしたり、
Climate Services (CS)でラジオなどを通じて農民に気象情報を伝達し、農業におけるリスクを削減する、なんてことをしてます。
これらすべてのプログラムは、Community-Based Participatory Planning (CBPP)という参加型開発手法を通して現地住民のニーズ調査を行っており、先日はフィールドで実際にCBPPを行ってきました。
実際に住民の人の声を聴くことはいつも勉強になり、今回はコミュニティマッピングや季節カレンダーの作成、リスク分析、コーピングストラテジー分析、コミュニティアクションプラン作りなどを行ったのですが、いくつか興味深かったことをご紹介。
- 生計の多くは農業頼りだが、息子などからの南アやモザンビークからの送金も生計を支えている(送金が止まると死活問題になる)
- 生計の中に「音楽」を発見。聞いてみると、ミュージックビデオに出演してお金をもらうんだとか。なにこれ、めっちゃ気になる。
- ワークショップの前に、ワークショップのルール確認をしたんだけど、時間を守ること、積極的な参加などの中に「しらふでいること(お酒を持ち込まない)」もルールとして強調されていたこと。
- ヘルスセンター建設の「リスク」として、どのグループからもレイプが挙がったこと。最初ヘルスセンターとのつながりが分からず「?」だったのですが、確認してみると、建設業者の人が外部から来て、住民に性的搾取を行うことがあるそう。
- Coping strategy(リスクを軽減するための方法的なもの)として、「隣の家に子どもを遊ばせに行く」が挙がったこと。そうすれば、農業や家事に集中することができるという理由。いや、隣の家の人こまるやないかーい。笑
- ワークショップのファシリテーターが、「遅刻はダメだぞ!遅れたらみんなの前でダンスだからな!」って言ってて、こんな考え方の人もいるんだなあって感心してたら、その言い出しっぺのファシリテーターが遅刻してきて、みんなの前で楽しそうに踊ってて、もはやそれはやりたかっただけだろうと思ったこと。
と、他にもたくさんの学びがありましたが、参加型開発はやはりめちゃくちゃ面白い。これからも現場の声に耳を傾けながら活動を続けていきたいです。
世帯調査も何世帯かさせていただいたのですが、マラウイ人なら当たり前のように食べてると思っていた国民食シマすら食べられなくて(パンプキンリーフだけを食べて凌いでいる)、1日1食しか食べてないような現場を見ると、食糧支援で「SAVING LIVES」をするだけでは根本的な解決にならないと心から思います。
国連だけでなく、地方行政や民間、NGOと連携し、長期的に彼ら彼女らの生活が安定するような援助は何なのか?「CHANGING LIVES」までつなげる援助を、この2年間で考え続けたいと思います。